日本人の知らない日本語(蛇蔵&海野凪子)
メディアファクトリー (2010-02-19)
売り上げランキング: 231
■目次
日本人の知らない日本語
第1章 外国人の素朴な疑問は超難問
第2章 そんな日本語使いません
第3章 間違いな敬語
第4章 トコロかわれば
第5章 知られざる仮名の過去
第6章 世界の漢字
第7章 そうだったんだ! 日本語
第8章 日本のルール
第9章 日本語学校にて
第10章 日本いいクニ
日本人の知らない日本語2
第1章 日本語学校へようこそ
第2章 敬語は難しい?
第3章 クールジャパンに憧れて
第4章 神社に行こう!
第5章 学生vs先生
第6章 冬になると
第7章 受け継がれるもの
第8章 点と丸
第9章 ご注意、怖い話あり
第10章 教室の外で
第11章 番外編
■感想
日本語学校で教鞭をとる海野凪子先生と外国人生徒が繰り広げる、ちょっとおかしなやりとりを赤裸々に描いたマンガ。大笑いしながらスイスイ読めてしまう。
私たち日本人が聞くと、思わずプッと笑ってしまうようなエピソードがたくさん。しかも、本人たちはいたって真面目なので、かえって無邪気な勘違いが、ほほえましい。
一方で、私たち日本人が外国に行った場合のことを考えると、この本が意味するところは興味深い。この場合は、立場は逆になり、すなわち、私たち日本人がつたない外国語でしゃべっているときには、実は相手はおかしいのを必死で我慢していたりしているのかも知れない、なんて考えてしまう。
ただ、目の前にいる外国人が一生懸命日本語で話そうとしているときに、その日本語がつたないことを馬鹿にする人はいないであろう。このことを考えると、私たちが外国に行った場合も、文法や語法の間違いを気にせずに、必死に真面目に話しかければ、伝わるのかなと思う。
これまで私は、文法や発音を気にして、英語を話すことをためらっていた。しかし本書を読んで、今後の英語学習について改めて考えさせられた。本書は、外国語を学ぶ日本人こそ読むべき本なのではないか?
新参者(東野圭吾)
■目次
煎餅屋の娘
料亭の小僧
瀬戸物屋の嫁
時計屋の犬
洋菓子屋の店員
翻訳家の友
清掃屋の社長
民芸品屋の客
日本橋の刑事
■感想
「このミステリーがすごい!2010」1位、「2010年本屋大賞」9位を受賞した本書。また本書は、ドラマ化も決まり、非常に注目を集めていることから、前から気になっていた。
物語の舞台は、日本橋。町の片隅で起こった殺人事件の真相を、探偵加賀恭一郎が追いかける。
赤い指を読んでいる方は、探偵加賀恭一郎が再登場し活躍する様を、楽しめるだろう。
奇抜なトリックや犯人が追い詰められるなどの、派手な山場はないが、犯人・被害者を取り巻く人々の心情を、細やかに語るストーリーの展開で、一種ほのぼのとした雰囲気で、物語は進行する。
また、それぞれの関係者からの視点から語られる小ストーリーが折り重なって、一つの大きな物語となるこの手法は、宮部みゆきの「長い長い物語」を思い出させた。このようなストーリーの展開は、長編小説と短編小説のそれぞれの長所が活きてくるのであろう。短編小説にちりばめられた小さな伏線が活きてきて、魅力的なストーリー構成になっている。
西の魔女が死んだ(梨木 香歩)
■目次
西の魔女が死んだ
渡りの一日
■感想
映画化もされ、またamazonの評価も非常に高かった小説「西の魔女が死んだ」。
いじめにあっていた主人公まいは、登校拒否となってしまう。そのことを心配した母は、まいをおばあちゃんに預ける。そして、まいは、おばあちゃんの家で、しばらく過ごすこととなる。
昔ながらの、単調で自然にあふれた生活を過ごすおばあちゃん。突然やってきた主人公を、何も言わず、黙って受け入れてくれるおばあちゃん。毎日の生活は、野いちごでジャムを作ったり、鶏の世話をしたり、足ふみで洗濯をしたり。田舎のゆったりとした時間の流れが伝わってくるようで、まるでスタジオジブリの「となりのトトロ」を彷彿とさせる、のどかでゆるやかな雰囲気に包まれる。
また、物語の中には、一つの大きな謎があり、読み進める中でずっと気になっていた。この謎が、物語の最後の最後に解き明かされる時が、あっと言わせる展開で、爽快な気持ちにさせてくれた。
私が小学生だったころに、こんなおばあちゃんがいたら良いな、と思わせるような、とても情感に富んだ雰囲気のある小説でした。
貧乏はお金持ち(橘玲)
講談社
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■目次
□楽園を追われて―フリーエージェントとマイクロ法人の未来
1, この国にはなぜ希望がないのか?
2, フリーエージェント化する世界
□もうひとつの人格―マイクロ法人という奇妙な生き物
3, ふたつの運命
4,「ひと」と「もの」
5, 株式会社という「人格」
6, マイクロ法人をつくる
□スター・ウォーズ物語―自由に生きるための会計
7, 資本主義とデス・スター
8, 自由に生きるための会計
□磯野家の節税―マイクロ法人と税金
9, マスオさん、人生最大の決断
10, 節税と脱税のあいまいな境界
□生き残るためのキャッシュフロー管理―マイクロ法人のファイナンス
11, フラワーチルドレンのファイナンス革命
12, キャッシュフロー計算書で資金繰りを理解する
13, 奇跡のファイナンス
■感想
制度というのは、多くの人にとっては厳しく取り締まられるものであるが、往々にしてその裏側では一部の人が甘い汁を吸っているものである。税制度においても、サラリーマンは、源泉徴収で厳しく取り立てられてしまうが、一方個人事業主は、節税効果の高いさまざまな特典を利用できる得な立場にいる。このような話は今までにもたびたび聞いたことがあった。しかし現実には、私を含めサラリーマンは、給料が支払われる前に自動的に税金が徴収されてしまい、手も足もでない。そのため、いったい何にとられているのか分からないが、毎月多くの税金を支払っている。
本書では、貸借対照表や損益計算書を用いて、具体的な節税額を説明している。一般のサラリーマンがどれほどの税金を支払っていて、その一方で個人事業主が思い税負担を逃れている現状が、具体的な数字で比較されて示されている。実際に、サラリーマンがいかに税負担が重いかということが具体的な数字で示されていて、改めてショックを受けた。しかし、これまでは、いくらサラリーマンの税金に対する税金負担が思いといっても、サラリーマンの立場を捨てるわけにも行かず、仕方がないとあきらめるしかなかった。
しかし本書では、一般のサラリーマンでも活用できる、サラリーマン法人による節税術の利用を提案している。私たちサラリーマンも、サラリーマン法人という方法を用いると、節税効果により、今より収入が300万円程度の可処分所得収入が増えるという。損する立場にいることを、仕方がないとあきらめてしまうのではなく、得する側に回れば良い、という著者の主張は、非常に心を揺さぶられた。
本著では、サラリーマン法人化による利益は、誰にでも利用でき、努力は不要で、確実に効果があると紹介している。しかし私は、実際にサラリーマン法人化を認めている企業が、現在の日本にどれほどあるかという点において、疑問を感じる。ただ本書では、サラリーマンの税負担を、現実的な数字を挙げて丁寧に説明してくれているので、現在の税制が理解しやすいものとなっている。私たちがどのような税制度で税金を負担しているかを知っておいて損ではないであろう。また最近良く聞かれる「サラリーマン法人」の概念やその効果を知る、という観点からも、良い本であると思う。
しがみつかない生き方(香山リカ)
(幻冬舎新書)
幻冬舎
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■目次
序章 ほしいのは「ふつうの幸せ」
第1章 恋愛にすべてを捧げない
第2章 自慢・自己PRをしない
第3章 すぐに白黒つけない
第4章 老・病・死で落ち込まない
第5章 すぐに水に流さない
第6章 仕事に夢をもとめない
第7章 子どもにしがみつかない
第8章 お金にしがみつかない
第9章 生まれた意味を問わない
第10章 “勝間和代”を目指さない
■感想
私には、歳の近い兄がいる。兄は「自分のやりたいことは大学にはない」といって、通っていた大学を辞めてしまった。それ以降は、時々アルバイトをしながら、親に依存しながら生活している。
しばらくして私にも、大学を卒業する時期が来た。私の場合は、奨学金を借りて大学に通っていたので、大学を卒業するということは、奨学金の返済が始まるということを意味していた。やりたいことを迷っている余裕はなく、就職しかなかった。
私の就職活動は、就職難の時代でもあり、簡単に内定をもらうことが難しかった。そんな中、かろうじて内定をもらうことが出来た第2志望の企業に、勤めることとなった。
また実際に就職してみると、そこでも希望どおりには行かなかった。大学・大学院の計6年間を、物理学を専攻し、その知識を活かせる仕事を希望していた私に与えられた仕事は、化学に関するものであった。
このように、私がこれまでたどってきた道は、希望どおりになることはあまりなかった。しかし、いつも自分の思い通りに行くわけではないとあきらめ、与えられた仕事に取り組んだ。最初は分からないことばかりで困難を極めたが、その一方で新しい仕事なので、「この前まで出来なかったことが出来るようになった」といった成長を実感できることが楽しくて、没頭していった。そして今では、学生のときの経験よりも、社会人になって身に付けた経験のほうが、私のベースになって役立っている。
今振り返ってみると、私の歩んできたキャリアは、最初思い描いていた理想のキャリア・経歴とは大きく異なるが、むしろこちらのほうが私自身には合っていたのではないかと思っている。
「本当にやりたいことを探す」という自分探しに執着する兄。しかし本当に、「本当にやりたいこと」にそこまで執着しなくてはいけないものだろうか?これまでなかなか希望通りに行かない人生を送ってきた私のほうが、むしろ充実した人生を送れているのではないか?ずっと疑問に思っていたこの思いは、本書「しがみつかない生き方」を読んで、やっと理解できた。










