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新参者(東野圭吾)

新参者
新参者
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東野 圭吾
講談社 (2009-09-18)
売り上げランキング: 258


■目次

煎餅屋の娘
料亭の小僧
瀬戸物屋の嫁
時計屋の犬
洋菓子屋の店員
翻訳家の友
清掃屋の社長
民芸品屋の客
日本橋の刑事



■感想
 「このミステリーがすごい!2010」1位、「2010年本屋大賞」9位を受賞した本書。また本書は、ドラマ化も決まり、非常に注目を集めていることから、前から気になっていた。

 物語の舞台は、日本橋。町の片隅で起こった殺人事件の真相を、探偵加賀恭一郎が追いかける。
赤い指を読んでいる方は、探偵加賀恭一郎が再登場し活躍する様を、楽しめるだろう。

 奇抜なトリックや犯人が追い詰められるなどの、派手な山場はないが、犯人・被害者を取り巻く人々の心情を、細やかに語るストーリーの展開で、一種ほのぼのとした雰囲気で、物語は進行する。

 また、それぞれの関係者からの視点から語られる小ストーリーが折り重なって、一つの大きな物語となるこの手法は、宮部みゆきの「長い長い物語」を思い出させた。このようなストーリーの展開は、長編小説と短編小説のそれぞれの長所が活きてくるのであろう。短編小説にちりばめられた小さな伏線が活きてきて、魅力的なストーリー構成になっている。

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

西の魔女が死んだ(梨木 香歩)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)
梨木 香歩
新潮社
売り上げランキング: 2527


■目次

西の魔女が死んだ
渡りの一日



■感想
 映画化もされ、またamazonの評価も非常に高かった小説「西の魔女が死んだ」。

 いじめにあっていた主人公まいは、登校拒否となってしまう。そのことを心配した母は、まいをおばあちゃんに預ける。そして、まいは、おばあちゃんの家で、しばらく過ごすこととなる。

 昔ながらの、単調で自然にあふれた生活を過ごすおばあちゃん。突然やってきた主人公を、何も言わず、黙って受け入れてくれるおばあちゃん。毎日の生活は、野いちごでジャムを作ったり、鶏の世話をしたり、足ふみで洗濯をしたり。田舎のゆったりとした時間の流れが伝わってくるようで、まるでスタジオジブリの「となりのトトロ」を彷彿とさせる、のどかでゆるやかな雰囲気に包まれる。

 また、物語の中には、一つの大きな謎があり、読み進める中でずっと気になっていた。この謎が、物語の最後の最後に解き明かされる時が、あっと言わせる展開で、爽快な気持ちにさせてくれた。

 私が小学生だったころに、こんなおばあちゃんがいたら良いな、と思わせるような、とても情感に富んだ雰囲気のある小説でした。

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

貧乏はお金持ち(橘玲)


■目次

□楽園を追われて―フリーエージェントとマイクロ法人の未来
 1, この国にはなぜ希望がないのか?
 2, フリーエージェント化する世界
□もうひとつの人格―マイクロ法人という奇妙な生き物
 3, ふたつの運命
 4,「ひと」と「もの」
 5, 株式会社という「人格」
 6, マイクロ法人をつくる
□スター・ウォーズ物語―自由に生きるための会計
 7, 資本主義とデス・スター
 8, 自由に生きるための会計
□磯野家の節税―マイクロ法人と税金
 9, マスオさん、人生最大の決断
 10, 節税と脱税のあいまいな境界
□生き残るためのキャッシュフロー管理―マイクロ法人のファイナンス
 11, フラワーチルドレンのファイナンス革命
 12, キャッシュフロー計算書で資金繰りを理解する
 13, 奇跡のファイナンス


■感想
 制度というのは、多くの人にとっては厳しく取り締まられるものであるが、往々にしてその裏側では一部の人が甘い汁を吸っているものである。税制度においても、サラリーマンは、源泉徴収で厳しく取り立てられてしまうが、一方個人事業主は、節税効果の高いさまざまな特典を利用できる得な立場にいる。このような話は今までにもたびたび聞いたことがあった。しかし現実には、私を含めサラリーマンは、給料が支払われる前に自動的に税金が徴収されてしまい、手も足もでない。そのため、いったい何にとられているのか分からないが、毎月多くの税金を支払っている。

 本書では、貸借対照表や損益計算書を用いて、具体的な節税額を説明している。一般のサラリーマンがどれほどの税金を支払っていて、その一方で個人事業主が思い税負担を逃れている現状が、具体的な数字で比較されて示されている。実際に、サラリーマンがいかに税負担が重いかということが具体的な数字で示されていて、改めてショックを受けた。しかし、これまでは、いくらサラリーマンの税金に対する税金負担が思いといっても、サラリーマンの立場を捨てるわけにも行かず、仕方がないとあきらめるしかなかった。

 しかし本書では、一般のサラリーマンでも活用できる、サラリーマン法人による節税術の利用を提案している。私たちサラリーマンも、サラリーマン法人という方法を用いると、節税効果により、今より収入が300万円程度の可処分所得収入が増えるという。損する立場にいることを、仕方がないとあきらめてしまうのではなく、得する側に回れば良い、という著者の主張は、非常に心を揺さぶられた。

 本著では、サラリーマン法人化による利益は、誰にでも利用でき、努力は不要で、確実に効果があると紹介している。しかし私は、実際にサラリーマン法人化を認めている企業が、現在の日本にどれほどあるかという点において、疑問を感じる。ただ本書では、サラリーマンの税負担を、現実的な数字を挙げて丁寧に説明してくれているので、現在の税制が理解しやすいものとなっている。私たちがどのような税制度で税金を負担しているかを知っておいて損ではないであろう。また最近良く聞かれる「サラリーマン法人」の概念やその効果を知る、という観点からも、良い本であると思う。

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

しがみつかない生き方(香山リカ)



■目次

序章 ほしいのは「ふつうの幸せ」
第1章 恋愛にすべてを捧げない
第2章 自慢・自己PRをしない
第3章 すぐに白黒つけない
第4章 老・病・死で落ち込まない
第5章 すぐに水に流さない
第6章 仕事に夢をもとめない
第7章 子どもにしがみつかない
第8章 お金にしがみつかない
第9章 生まれた意味を問わない
第10章 “勝間和代”を目指さない



■感想
私には、歳の近い兄がいる。兄は「自分のやりたいことは大学にはない」といって、通っていた大学を辞めてしまった。それ以降は、時々アルバイトをしながら、親に依存しながら生活している。

しばらくして私にも、大学を卒業する時期が来た。私の場合は、奨学金を借りて大学に通っていたので、大学を卒業するということは、奨学金の返済が始まるということを意味していた。やりたいことを迷っている余裕はなく、就職しかなかった。

私の就職活動は、就職難の時代でもあり、簡単に内定をもらうことが難しかった。そんな中、かろうじて内定をもらうことが出来た第2志望の企業に、勤めることとなった。

また実際に就職してみると、そこでも希望どおりには行かなかった。大学・大学院の計6年間を、物理学を専攻し、その知識を活かせる仕事を希望していた私に与えられた仕事は、化学に関するものであった。

このように、私がこれまでたどってきた道は、希望どおりになることはあまりなかった。しかし、いつも自分の思い通りに行くわけではないとあきらめ、与えられた仕事に取り組んだ。最初は分からないことばかりで困難を極めたが、その一方で新しい仕事なので、「この前まで出来なかったことが出来るようになった」といった成長を実感できることが楽しくて、没頭していった。そして今では、学生のときの経験よりも、社会人になって身に付けた経験のほうが、私のベースになって役立っている。

今振り返ってみると、私の歩んできたキャリアは、最初思い描いていた理想のキャリア・経歴とは大きく異なるが、むしろこちらのほうが私自身には合っていたのではないかと思っている。

「本当にやりたいことを探す」という自分探しに執着する兄。しかし本当に、「本当にやりたいこと」にそこまで執着しなくてはいけないものだろうか?これまでなかなか希望通りに行かない人生を送ってきた私のほうが、むしろ充実した人生を送れているのではないか?ずっと疑問に思っていたこの思いは、本書「しがみつかない生き方」を読んで、やっと理解できた。

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

不道徳教育(ウォルター・ブロック, 橘 玲)

不道徳教育
不道徳教育
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ブロック.W
講談社
売り上げランキング: 21225


■目次

まえがき:不道徳はヒーローだ!
売春婦
ポン引き
女性差別主義者
麻薬密売人
シャブ中
恐喝者
2ちゃんねらー
学問の自由を否定する者
満員の映画館で「火事だ!」と叫ぶ奴
ダフ屋
悪徳警察官
ニセ札づくり
どケチ
親の遺産で暮らす馬鹿息子
闇金融
慈善団体に寄付しない冷血漢
土地にしがみつく頑固ジジイ
飢饉で大儲けする悪徳商人
中国人
ホリエモン
ポイ捨て
環境を保護しない人たち
労働基準法を遵守しない経営者
幼い子どもをはたらかせる資本家



■感想
本書を読んで、いかに自分が物事をひとつの面しか見ず、偏見を抱いていたかを痛感させられた。
たとえば、労働基準法の最低賃金は、企業が上げた利益の一部を受け取る労働者の権利を守るものであると思ってた。労働者にとって損になるかもと疑ったことなんて、一度もなかった。
しかし、本書では、最低賃金を規定する労働基準法は、失業を促進していると言い切る。。
というのも、企業が従業員を雇う場合を考えてみる。従業員を一人雇うことにより、500円/時間の利益が得られる場合を考える。このとき、もし最低賃金が時給700円と規定されているとすると、企業はわざわざ従業員を雇って赤字を出すより、従業員を雇わない決断をするであろう。
すなわち、労働者が資本家による搾取から守っているのは、需要と供給による市場原理であって、労働基準法ではないという衝撃の事実である。

このほかにもいろいろな現象について、筆者独特の切り口で、言及していく。
この本のロジックが本当にリアルの社会に適応できるのかは少し疑問であるが、社会現象を観察する際には、本著が教えてくれるように、複数の視点から観察するのが必要なのであろう。

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